遠投一発カゴの有効な場面とメンテナンス

今回は遠投カゴ釣りに使われる遠投1発カゴの有効な場面、メンテナンス、種類や作る側の視点からの考察を綴ります。

遠投一発カゴの有効な場面

遠投1発カゴは回遊魚の群れが回ってきた時に非常に有効です。

コマセを一気に放出するので瞬間的な集魚効果が高く、

ずらりと堤防に釣り人が並んでいる時に自分だけ入れ食いする事もありました。

また、手返しが速いので時合が到来した時は1発カゴで手返しを素早く行う事で釣果を伸ばせます。

半面、潮流に任せて流す釣りの時は放出してからのコマセとサシエの同調時間が短いので投入ポイントとロック解除するタイミング(2段ロック式場合)を考慮しなければいけません。

そして複数人で一発カゴを使い一気に大量のコマセを撒くと魚が早くお腹一杯になる事も考慮すべき事と思います。

時合が短い時は1発カゴ、時合が長く釣れ続けるような場面ではパラパラかロケットタイプ、1発カゴの場合はコマセの量を制限したりするのが良いと思います。

遠投一発カゴのメンテナンス

多くの一発カゴは開閉機構にステン線が使われており衝撃が加わると変形し、開閉機構がおかしくなる場合があるので磯や堤防にぶつけない様に注意して扱って下さい。ぶつけないように回収する動作は多少の慣れが必要だと思いますが使いこなせると強力な武器になります。釣行後は真水で洗い流して水分を拭きとるか、乾燥させて保管して下さい。

開閉機構がおかしくなった場合(遠投籠丸シリーズ)

コマセとサシエを入れずにロック状態にして5cm程度の高さから掌へ自然落下してみてください。

5cmから自然落下して1ロックが解除されるようでしたら、問題はありません。1ロック目が解除されない場合は上下カゴどちらかのフックが歪んでいる可能性があります。ペンチ等で具合を見ながら曲げて修正します。

2ロックの点検方法は、1ロック解除した状態から縦に軽く振って2ロックが解除された場合は問題はありません。2ロック目が解除されない場合は上カゴのフックのテンションが強すぎるか、下カゴの2ロック目を支えるステン線が歪んでいる可能性があります。1ロック目と同じく、ペンチ等で具合を見ながら曲げて修正します。

上記2つのロック点検では問題がないのに、キャストして竿を煽ってもカゴが開かない時は・・・

おそらく釣り針のチモトをロック機構に挟み込んでいます。最初に入れるコマセを少し減らして入れます、そしてサシエを入れてから更にコマセを少しサシエに被せてください。下カゴにも少量コマセを入れてください。

遠投一発カゴの種類

  • 1ロック式で海中タナ到着後、下カゴが自然開口するタイプ
  • 2ロック式で海中タナ到着後も下カゴが開かず、竿をしゃくる事で開口するタイプ

大きく分けて2種類あります。

籠の助が製作する1発カゴは、遠投籠丸BL以外は2ロック式の遠投カゴです。

作るのは1ロック式の方が楽ではあるのですが、実用性を考慮すると2ロック式がいいなと個人的に感じているので2ロック式にしています。

ハンダ付けについて

ハンダ付けは母材を溶かす溶接ではありません。

たまにはんだ付けの事を、溶接してあるので強い!と勘違いされている方もいます。

はんだ付けは接合部をフラックスで脱酸作用を起こし、ハンダを溶かす事でハンダと基材間で1~3㎛(0.001~0.003mm)の合金層を生成して接合します。

接合部は見た目強そうですが、溶け合っていませんので、点の接合は弱い。(面は結構強いです)

その理由から上カゴをステンレス線を組んでハンダ付けしたものは点の接合となり強度が出にくいです。(籠の助が作る、遠投籠丸SUSはスタッド溶接+ハンダ付けで強化仕様になっています)

籠の助は上カゴがステンレス線をはんだで組んであるカゴの未来は無いと思っています。その考えから遠投籠丸SUS⇒遠投籠丸の上カゴがプラスチックタイプへ改良しました。

が!ステンレス線の上カゴを好まれる方が一定数いらっしゃいますのでステン線仕様(遠投籠丸SUS)を作り続けています。

強度、コマセの漏れは遠投籠丸が良いです。

ステン線上カゴは巻きとりが軽い1点のメリットのみです。

折角購入頂いたカゴですから長く愛用頂きたいので、強度と漏れの観点から今後上カゴをステンレス線とハンダで組んだカゴを新作することはないと思います。

下カゴの円錐型と丸型

遠投1発カゴの下カゴ形状ですが、円錐と丸型をよく見かけます。籠の助は現在丸型だけの製作です。(以前円錐型も作っていましたが廃盤にしました)

丸型の特徴

  • 流体抵抗もほどほど良く、着水で1ロック解除
  • プレス抜きで板厚もあり、強度がある。(間違って踏みつけても下カゴの半丸は潰れません)

円錐の特徴

  • 円錐形状は流体抵抗が丸型よりも良いが、着水時の1ロック解除の為、逆に抵抗を作らなければいけない。その為円錐の上側にリング状の土手を作っていたりします。リングを着ける事はキャストの際にも抵抗になり、結局の所丸型と飛距離はほぼ変わらないです。
  • 円錐型は主にステンレス板から切り出して丸めてハンダ付けをしていましたが、磯にぶつけたら凹む程強度が出ない。
  • 円錐形状をステンレス板から切り出して手作業で真円を保って製作するのは非常に困難です。
  • 重心バランスが悪い

※開閉機構がイレクター加工の円錐プラスチックでできている一部のカゴは上記円錐の特徴に当てはまらないものがあります

円錐の方が飛びそう!と思ってしまいがちですが、意外と丸型の遠投籠丸Lは100m以上飛ばせます。うーん、遠投カゴって難しい!

皆様、良い1発カゴライフを!

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